二十二社 中七社 |
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奈良県西部の町・三郷町。 「龍田の紅葉」として知られる紅葉の名所であり、万葉歌の里としても有名な町だ。 その三郷町を流れる大和川北西の山並みを龍田山という。
さかのぼること約2100年前、相次ぐ凶作や疫病の蔓延に悩んだ崇神天皇が、「吾が宮を朝日の向かう処、夕日の日隠る処の龍田の立野の小野に定めまつりて……」という神託を受けた。 天皇は神託のとおり、龍田山に社殿を造立。 すると、五穀豊穣、疫病は退散したと伝えられている。 この伝承が龍田大社の起源だ。
祭神・天御柱大神と国御柱大神は、二神併せて龍田風神と呼ばれている。 神名にある「御柱」とは、天地万物の中心の柱のこと。 また、天御柱大神は志那都比古神、国御柱大神は志那都比売神という別名をそれぞれにもつが、その「志那」は「息長(長寿)」の意味をもつとされる、そのため、祭神は万物生成の中心となる「気」の守護神だといい、二神はそれぞれに陽と陰の側面をつかさどる。
祭神は古来「風の神」とあがめられている。 自然崇拝の考え方になじんでいる日本では、風のもたらす恵みと猛威に感謝と畏怖をもっていたのだろう。
出所:『日本の神社100選』から抜粋
更新日:2019/04/30