二十二社 下八社 |
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日吉馬場と呼ばれる参道を抜け、渓流に架かる橋を渡ると正面に見えるのは「山王鳥居」と呼ばれる朱塗りの鳥居。 上部が合掌しているように見えることから「合掌鳥居」とも呼ばれ、神仏習合の時代を今に伝えている。 日吉大社のシンボルともいえるこの鳥居をくぐってさらに行くと、大己貴神をまつる西本宮の楼門が眼前に現れる。 境内奥に鎮座する本殿は、白木でつくられた端正な建物で、正面と両サイドに庇を付けた独特のスタイル。 仏教の色彩も感じられるこの建築様式は「日吉造」とも「聖帝造」とも呼ばれ、日吉大社特有のものだ。 祭神・大己貴神は国づくりの神で、667年の大津京遷都に当たって大和国(奈良県)の大神神社から移しまつられた。
もう一度、山王鳥居まで戻って、今度は東本宮へ向かおう。 こちらの境内には、大山咋神をまつる本殿を中心に、父神をまつる大物忌神社、母神をまつる新物忌神社、叔父神をまつる稲荷社、兄姉神をまつる竈殿社などほかの社も含めて祭神の家族が集まっている。 祭神・大山咋神は『古事記』にも登場する五穀豊穣の神。 神代の昔から比叡山に鎮座する土地の神だ。 地主神とその家族が鎮まっている境内には、静かで清らかな空気が流れている。
出所:『日本の神社100選』から抜粋
更新日:2019/04/30