法然上人二十五霊場 第五番 |
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高野山真言宗 本尊 十一面千手観音菩薩 |
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応頂山勝尾寺は、古義真言宗の古刹で開成皇子を開基とし、本尊十一面千手観世音菩薩を安置し西国三十三所、第二十三番の霊場である。 多くの堂塔中、二階堂はその一である。
二階堂は本堂の右手を東北へ二百メートル、高台の展望のよい所にある。 恵心僧都作の阿弥陀仏を安置し、法然上人が讃岐よりの御帰途四ヶ年御留錫された専修念仏の道場である。 『勅伝』第三十六巻には「恩免ありと雖もなほ洛中の往還を許されざりしかば摂津国勝尾寺にしばらく住み給ふ」と記されている。 上人はこの山居に御滞留あらせられ、朝な夕な柴の戸に去来する白雲を眺められては、やがて来る日の紫雲台上の果報を悦び給うた御心境こそ、拝察するさえ尊い極みである。
承元四年三月二十一日、ここで善導大師と夢定御会見あり。 この日夜更けて念仏し給うに大師来現あり、上人に浄土の秘籍及布薩戒を残りなく伝えられ、後世の者に信を置かしめようと壁板に両祖の形跡を遺された。
今当堂の本尊として安置されてあるのはその壁板であって、一心に念仏して拝んでいると、その御影を拝することが出来るという。 また当山の引声念仏衆のために上人は法服の施入、一切経の御寄進開題供養等あり。 御縁故頗る深いものがある。
出所:『圓光大師 法然上人御霊跡 巡拝の栞』
更新日:2015/03/03