法然上人二十五霊場
第九番
に じょう ざん たい ま でら
二上山 當麻寺 奥院
浄土宗、高野山真言宗[1]
本尊 当麻曼荼羅
御詠歌阿彌陀佛あみだぶもふすばかりを つとめにて
 浄土じやうど>の荘厳しやうごん みるぞうれしき
住 所
電 話
URL
備 考奥院本尊:法然上人

 當麻寺の本堂(曼陀羅堂)の後方に奥院がある。 ここは當麻寺の奥の院ではなく、京都の浄土宗総本山知恩院の奥院として開創された由緒ある寺院である。 奥院は最初往生院とも呼ばれていた。 それは今から六百有余年も前のことである。 当時、京都は南北朝の動乱の中にあって決して安住の地ではなかった。 知恩院の第十二世となった誓阿普観上人は、応安三年(一三七〇)に勅許をえて、元祖法然上人の御影像と【勅修法然上人形状絵図】など幾多の貴重な宝物を當麻寺の浄域内に遷して開創せられた名刹である。 このことは総本山に残る記録によって明らかにすることができる。 開山誓阿普観上人以来、法灯相継ぎ今日にいたっている。

 奥院の山門を入ると、境内の高所に法然上人御影堂(本堂)をはじめ、阿弥陀堂、方丈、書院、納骨堂などがある。 そして開創当寺に本山よりもたらされた霊宝が今に伝えられていることは有難い極みである。 知恩院ではこうした由緒をもつ奥院を重視し、古くらこの寺の僧侶に対し特に一書を与えて紫の法衣と金襴の袈裟を着用することを許している。 奥院のある場所は、當麻寺のなかでいちばん高所にあるから、眺望極めてよく、四季おりおりの深い趣がある。 春は境内一面に美しい牡丹が咲ききそい、文字通り極楽浄土の観がある。 大方丈は格式のある建物で、棟木には慶長十七年六月二十五日上棟の詳しい棟札が残っている。

 當麻の地は二上山麓にあり、浄土教徒の憧憬の地である。 しかも法然上人ゆかりの霊地であるから参詣の杖をひく者が相つぎ、またこの寺に納骨して永遠の法悦に浴そうとする者が多い。

 境内の西に広い浄土庭園がある。

出所:『圓光大師 法然上人御霊跡 巡拝の栞』

≪奥院 本堂(御影堂)≫
 奥院の本堂と方丈は、残念ながら修理工事中でした。(2015年1月現在)
≪浄土庭園の冬牡丹≫
 奥院の浄土庭園は、ニ上山を背景に當麻の自然を取り入れた庭園で、阿弥陀如来像他の石仏が並び、四季折々の美しい花が咲きます。 花を愛でながら心静かに石仏との対話を楽しんでください。

[1]奥院をはじめとする8院が浄土宗、西南院など5院が真言宗です。

更新日:2015/03/03