法然上人二十五霊場
第十三番
おと わ さん きよ みず でら
音羽山 清水寺 阿弥陀堂
北法相宗 大本山
本尊 千手観音菩薩
御詠歌阿弥陀佛あみだぶ十声とこえとなえて まどろまん
 ながねむりと なりもこそすれ
住 所
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備 考阿弥陀堂本尊:阿弥陀如来

 清水寺阿弥陀堂は、丈六の阿弥陀如来坐像を本尊とし、観音・勢至両菩薩立像を脇侍にする弥陀三尊を奉祀する。 古来、洛陽六阿弥陀めぐりの霊場としてきこえ、今日も縁日にはたくさんの信者でにぎわう。 現在の御堂は江戸時代初頭・寛永期の再建で国の重要文化財に指定されている。 なお両脇侍像は鎌倉時代初頭の彫像で、共に重要文化財である。

 また、この阿弥陀堂は、法然上人二十五霊場の第十三番にあたり、堂内の向かって右側に法然上人像を奉安している。 これは、浄土宗を開創された法然上人が、大勢の参拝者を迎える清水寺を称名念仏説戒の場とされ、清水寺の勧進沙弥印蔵の帰依によって文治四年(一一八八)五月十九日、この御堂で我が国で初めての常行念仏を修せられたことに由緒する。 堂内中央正面に後柏原天皇宸筆の「日本最初常行念仏道場」の堅額が掛けられ、堂表には「洛陽六阿弥陀如来念仏道場」と「円光大師廿五拝拾三番遺跡」の両聯が下げられている。

 なお、この阿弥陀堂は、清水寺開創の起縁となり、「清水」寺の寺号を由来する音羽の滝の山手に建つところから、往古「滝山寺」=「りょうさんじ」「たきやまでら」=と呼ばれた。 御詠歌も、清水寺ご本尊千手観音の「清水の滝は、過去にも、これありき。現在にも、これあり。未来にも、又これあるべし。これ即ち大日如来の鑁字の智水なり」との夢のお告げをうけて詠まれたと伝える。 清水の滝の不断に、不断念仏の「不断」を念じられたものであろう。

出所:『圓光大師 法然上人御霊跡 巡拝の栞』

更新日:2015/03/03