法然上人二十五霊場
第二十四番
し うん ざん こん かい こう みょう じ
紫雲山 金戒光明寺
浄土宗 大本山
本尊 阿弥陀如来
御詠歌いけみず ひとこころたりけり
 にごりすむこと さだめなければ
住 所
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備 考別称:黒谷、白河禅房

 「黒谷さん」と広く皆さんに親しまれている当山は市内地にあり、西に都を一望できる景勝の地にあり、春秋両彼岸は西山の鞍部、小倉山に沈む太陽を拝む、日想観の地であります。

 承安五年の春、法然上人は専修念仏を勧めるため叡山黒谷をおりてこの岡の石に腰かけ、西に沈む夕日に向かい念仏なさいました。 その折柄、紫雲たなびき光明輝く瑞相を感得なさり、この地に念仏を勧める草庵を結ばれました。 言うならば、ここは浄土宗の発祥の地というわけです(紫雲石・頭塔[1]西雲院にあり)。

 応永年中に後小松天皇より「浄土真宗最初門[2]」の勅額を賜り、現在三門に揚げています。 文字どおり「浄土宗の真の教えを最初にひろめたお寺」というわけです。

 なお、当山の宝物として、次のようなものがあります。

真筆一枚起請文開祖法然上人の真筆で本宗無二の宝物。
山越阿弥陀如来恵心僧都の作。阿弥陀如来が観音勢至菩薩をしたがえてあらわれ、地獄、極楽図を拝した物(重文)。
鏡の御影法然上人の御真影。
おとめの如来恵心僧都が一代彫刻につかった器具を御像の腹中に納められた最終最後の作品。
吉備観音像遣唐使吉備真備が中国から持ち帰ったびゃく檀香木で千手観音を刻んだ。吉田寺より移転安置(重文)。
文殊菩薩
文殊塔(重文)
運慶作、日本三大文殊の一つ。山上、文殊塔に安置。
黒谷墓地春日局、八橋検校や会津藩士など著名人の墓が並ぶ広大な墓地。

出所:『圓光大師 法然上人御霊跡 巡拝の栞』


[1]「塔頭」の誤植のように思われますが、原文通り「頭塔」と表記します。
[2]「浄土真宗」となっていますが、親鸞を開祖とする「浄土真宗」を意味しているわけではありません。

更新日:2015/03/03