近畿三十六不動尊
第十番
にゃく おう ざん じ ぞう いん む どう じ
若王山 地蔵院 無動寺
高野山真言宗
本尊 大日如来
札所本尊身代り不動(木造座像)
御詠歌世を救う 佛のちかひ ゆるぎなく
 ちとせ変らぬ のりのわかやま
住 所
電 話
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備 考

 神戸市の中心から、車で新神戸トンネルを抜けると、箕谷というところに出る。 右の方へ下がって数分、福地のバス停のところを東北(右)へ約六百米坂道を上ると、ここ若王山にゃくおうざん無動寺である。 如何にも空気の澄んだ緑の多い、自然豊かなところである。 どんな人でもここを訪れると、心のやすまる思いがするだろう。 特に四月のつつじの季節と秋のもみじの時が良いようで、海抜五八六米の帝釈山系のハイキングや、裏六甲の野外活動の拠点となっている。 また、ユースホステルの山田無動寺としても活動を続けている。

 古く推古天皇の御代(592〜628)に、聖徳太子が物部守屋を討つため鞍造りのとり刀利仏師とりぶつし)に、大日如来像や諸仏を彫刻させ、堂宇伽藍を建てて普救寺と名付けられたのにはじまると伝えられる。 普救寺がいつの間にか福寺となったようである。

 本堂奥殿にお祀りされている諸仏像のうち、不動明王座像について、その概要を記すと、高さ八四、台座の高さ四〇、桧の寄木造りで、彩色が施されている。 右手に剣杵、左手に羂索を握り、袈裟及び瓔珞を身にかけた一般的なお姿のお不動様である。 台座及び光背は後の世のものである。 衣紋の線がやわらかで、全体として穏和な表情であるところ等、藤原時代の彫刻の特長がよくあらわれていると云われる。

出所:『近畿三十六不動尊』から抜粋


 神戸電鉄箕谷駅からバスで福地下車、徒歩800m。
≪本堂≫
 ご本尊の大日如来の手前に、大日如来の化身である不動明王が祀られています。

更新日:2018/11/02