近畿三十六不動尊
第十二番
なん ざん はん にゃ いん あん こう じ
南山 般若院 安岡寺
天台宗系単立
本尊 如意輪観音
札所本尊弘紹不動明王(本堂・木造立像、護摩場・石造立像)
御詠歌大ごまに 願いをこめて 安岡寺
 祈る心は 不動明王
住 所
電 話
URL
備 考通称:高槻観音、弘紹不動

 今からおよそ千二百年前、人皇第四十九代光仁天皇の長子、開成皇子(第五十代桓武天皇の御兄君)が、宝亀六年(775)二月十八日、北摂の地を巡歴中、この山に登り、この地が霊地であることを感得され、堂塔を建てられた。 それがこの寺の濫觴である。

 皇子は、一石に一字づつ大般若経を書写し、経函に収め、風光明媚なこの岡の上に埋め、その上に、石で釈迦如来像を作って安置したのが般若塚で、今も頂上の広場の奥まったところにある。 旧暦八月十五日満月の夕には、ここで般若塚千灯供養が厳かに行なわれ、阪神各地から大勢の参詣者がある。

 皇子が般若経をこの置したところから、般若院安岡寺と名付けられたので、当時は東西五丁、南北九丁半に及ぶ広い寺域を擁していた。 しかし、キリシタン大名、高槻城主高山右近の時代に、はなはだしく荒廃し、現在の本堂は、その後再建されたものである。 また、明治のはじめまでは、大日院、泉蔵院、阿弥陀院、藤本院の四寺坊があり、遠近の信者の参詣が繁く、栄えていたが、廃仏棄釈の法難のため、四坊は竹藪になり、本堂及び諸堂も荒れていたが、近年になって、住職、信徒相協力して、修理復興し、寺観が一新した。 なお、客殿の北側、大護摩供厳修の広場の山側に、新しく石仏の不動尊が祀られ、滝が出来ている。 これも信徒の熱意の現われである。 従来、護摩をたく時は、本堂から、不動尊を護摩壇へ移して行っていたわけである。

出所:『近畿三十六不動尊』から抜粋


 JR高槻駅からバスで浦堂下車、徒歩約5分。
≪本堂≫
 本堂には本尊として秘仏如意輪観世音菩薩が、脇仏として愛染明王と弘法大師作の不動明王が祀られています。

更新日:2018/11/02