近畿三十六不動尊
第十三番
さ が さん だい かく じ もん ぜき
嵯峨山 大覚寺 門跡
真言宗大覚寺派 大本山
本尊 五大明王
札所本尊御所の五大明王(木造坐像)
御詠歌もろもろの 病すくひし 御佛を
 わけてたのめよ この世のちの世
住 所
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備 考

 旧嵯峨御所大覚寺門跡と呼ばれるこの寺は、寺の感じのしない寺である。 京都市の中心から北西にあたる嵯峨の地に広大な土地を擁し、有名な大沢の池を境内にとり入れ、いかにも公園のような感じさえ与える寺である。

 参拝のためでなく、観光的な気分で訪ねる人の方が多いのも、そんな雰囲気のためだろう。

 松の緑のあいだを通り、門をはいると、右手に低く地をった松がある。 見事なものである。 見とれていて左側を見落とさないでほしい。 左側には、生け花が生けられてあり、さすが嵯峨流の家元だけあって、素晴らしい。 そして、その時々に、かえられるがよい。

 大覚寺はその昔、嵯峨天皇が、嵯峨離宮として造営されたのが始まりであり、その後、弘法大師空海を招き、五大明王を祀り、鎮護国家の法を修せられ、降って貞観十八年(876)嵯峨天皇の内親王で、のちの淳和皇后と、皇子恒寂ごうじゃく法親王とが、時のみかど、清和天皇に、この嵯峨院を寺にするためお願いをされ、許されて大覚寺となったもので、今(昭和五十三年)から1103年前のことである。

出所:『近畿三十六不動尊』から抜粋

更新日:2018/11/02