近畿三十六不動尊
第十五番
ご ち さん れん げ じ
五智山 蓮華寺
真言宗御室派 別格本山
本尊 阿弥陀如来
札所本尊五智不動明王(石造座像)
御詠歌つみとがも やきほろぼさん ちかいにて
 ほのほのなかに たちませるみを
住 所
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備 考

 この寺の縁起を尋ねると、古く千百七十余年前の大同元年(806)、唐に渡って真言密教を修めて帰国された弘法大師は、仏法をひろめ、苦衆を救うために全国を行脚しておられた。 その時に洛西、広沢の池のほとりの岩屋の中で、不動明王を感得され、そのお姿を石に刻まれたのが、当寺の本尊で、大師は厄除招福、諸病平癒を祈願され、「きゅうり封じ」の秘法も始められた。 この秘法は、今に伝えられ、毎年土用の丑の日に厳修されている。 「きゅうり封じ」とは、氏名、年令、性別、願いごとを「きゅうり」に封じ込んで、祈願してもらうことで、全国各地から多くの人々がお参りに来ている。

 天喜五年(1057)藤原康基は、この不動尊を本尊として、広沢の池のほとりに蓮華寺を建てたが、その後荒廃していた。 徳治年中(1306〜8)後宇多天皇が再建され、蓮華峯寺と名づけ、御自身もこの地にお住まいになった。 このことについては、御自ら筆をとって詳しく書かれている。 大覚寺所蔵の国宝後宇多天皇宸翰御手印遺告ゆいごう建立こんりゅう蓮華峯寺縁起第十五」がそれである。 広沢の池の西北にある後宇多天皇陵がこの地であり、今はただ「蓮華峯寺陵」の石碑一基のみが残っているだけである。

 五智山蓮華寺の本尊、五智不動尊は、昭和四十九年五月に落慶した寄棟造りの美しい本堂内に安置されている。[1]

出所:『近畿三十六不動尊』から抜粋

≪露座の五智如来石仏と本堂≫
 京都駅からバスで御室仁和寺下車。京福電鉄北野線御室駅から北へ5分。
≪不動堂≫
 近畿三十六不動尊第十五番の五智不動尊はこちらに祀られています。

[1]『近畿三十六不動尊』には五智不動尊が本尊と書かれていますが、現在の本尊は本堂に祀られている阿弥陀如来で、五智不動明王は不動堂に祀られています。

更新日:2018/11/02