近畿三十六不動尊 第十六番 |
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天台宗 本尊 薬師如来 |
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三千院門跡は、古くは青蓮院、妙法院とともに天台宗の三門跡寺院として知られていました。 今は五箇室門跡のひとつです。
声明の里として知られる大原は、恵心僧都源信建立の往生極楽院、天台声明発祥の勝林院、声明中興の良忍上人建立の来迎院などを中心に発展してきました。 三千院の前身[1]である梶井門跡は、もとは比叡山の琵琶湖側、東坂本に里坊がありました。 さらにさかのぼると、伝教大師最澄が比叡山東塔南谷に草庵を開いたのに始まるそうです。 中世以降に大原の寺院を管理するために設けた政所、それが現在の三千院となりました。 来迎院を上の院、勝林院を下の院、広大な敷地内に往生極楽院を含む三千院は、ちょうどその中間に位置しています。
普段は秘仏ですが、四月中頃から五月中頃まで行われる不動大祭でご開帳されます。 新しいお堂の中で全身を黄金色に輝かせるお不動さまに、会いまみえ[2]、手を合わせたいものです。
出所:『改訂新版 三十六不動尊巡礼』から抜粋
[1] | 原文には「全身」と書かれていますが、明らかに誤記ですので「前身」に改めました。 |
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[2] | 「相まみえ」が正しい漢字のはずですが、原文通り「会いまみえ」と表記します。逆に仏様に「相まみえ」るのは失礼な言い方に感じますが、どうなんでしょう? |
更新日:2018/11/02