近畿三十六不動尊
第十六番
さん ぜん いん もん ぜき
三千院 門跡
天台宗
本尊 薬師如来
札所本尊金色不動明王
御詠歌大原の 里と聞きつつ 訪ね入れば
 また道ながら 袖しぼりけり
住 所〒601-1242
左京区大原来迎院町540
電 話075-744-2531
URLhttp://www.sanzenin.or.jp/
備 考

 三千院門跡は、古くは青蓮院、妙法院とともに天台宗の三門跡寺院として知られていました。 今は五箇室門跡のひとつです。

 声明しょうみょうの里として知られる大原は、恵心僧都源信建立の往生極楽院、天台声明発祥の勝林院、声明中興の良忍上人建立の来迎院などを中心に発展してきました。 三千院の前身[1]である梶井門跡は、もとは比叡山の琵琶湖側、東坂本に里坊がありました。 さらにさかのぼると、伝教大師最澄が比叡山東塔南谷に草庵を開いたのに始まるそうです。 中世以降に大原の寺院を管理するために設けた政所、それが現在の三千院となりました。 来迎院を上の院、勝林院を下の院、広大な敷地内に往生極楽院を含む三千院は、ちょうどその中間に位置しています。

 普段は秘仏ですが、四月中頃から五月中頃まで行われる不動大祭でご開帳されます。 新しいお堂の中で全身を黄金色に輝かせるお不動さまに、会いまみえ[2]、手を合わせたいものです。

出所:『改訂新版 三十六不動尊巡礼』から抜粋


 『京都大原三千院 恋に疲れた女がひとりぃ~』 歌の歌詞とは異なり、広い境内は元気な(恋を忘れたような)女性参拝客で溢れていました。
≪往生極楽院≫
 内部には国宝の阿弥陀三尊像が安置されています。 脇侍の観音・勢至観音像は「大和坐り」という珍しい形式で、少し腰を浮かせた前傾姿勢は、衆生の祈りに応えて何時でも立ち上がれるようにという意味があるそうです。
≪妙音福寿大弁財天≫
 池の中の弁天堂に祀られていることの多い弁財天ですが、ここには池もお堂もありません。 手前にある小さな祠には白蛇の姿をした宇賀神が祀られてます。
≪金色不動堂≫
 金色不動堂は護摩祈祷を行う祈願道場として平成元年(1989)に建立されたもので、ご本尊は智証大師作と伝えられる秘仏金色不動明王です。

[1]原文には「全身」と書かれていますが、明らかに誤記ですので「前身」に改めました。
[2]「相まみえ」が正しい漢字のはずですが、原文通り「会いまみえ」と表記します。逆に仏様に「相まみえ」るのは失礼な言い方に感じますが、どうなんでしょう?

更新日:2018/11/02