近畿三十六不動尊
第二十番
い お ぶ さん ね ごろ じ ち しゃく いん
五百仏山 根来寺 智積院
真言宗智山派 総本山
本尊 金剛界大日如来
札所本尊智彗不動、麦つき不動(木造座像)
御詠歌ちえをつみ とくをみがくの てらなれば
 このよをてらす のりのともしび
住 所
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備 考

 成田山新勝寺、川崎大師平間寺、高尾山薬王院をはじめ、全国に三千ヵ寺の末寺を擁する真言宗智山派総本山の智積院は、東山七条にあり、石垣の上に塀を廻らし、壮大な構えを誇る寺である。 七条通りの突当りの石段の上にある山門、中の玄関は、実に落ち着いた、しかも優美なものである。 しかし、ここからは境内に入れない。 東大路を少し南へ寄ったところが入り口になっていて、直ぐ右手に、全国三十万戸の檀家信徒を迎える智積院会館がある。 中央山手に向ってずっと奥の方に豪華壮麗な真新らしい建物がある。 これが、明治十五年焼失後、久しく再建の時を待って、ようやく、宗祖弘法大師生誕千二百年の昭和四十八年に着工、三年の歳月を費し、昭和五十年六月十五日(大師誕生の日)に竣工した新金堂の威容である。 中には、昭和の祈りをこめた大日如来像がお祀りされている。

 収蔵庫の北、門を入ると本堂[1]がある。 この本堂の御本尊が、和歌山県の根来寺から勧請されたと伝えられる不動明王である。 当寺はもと豊臣秀吉が、愛児鶴松の菩提を弔うために建てた祥雲禅寺と云う寺を、元和元年(1615)五月、大阪落城直後、日頃智積院に帰依していた徳川家康が、智積院三世、日誉僧正に寄進、日誉僧正は五百仏頂山いほぶつさん根来寺智積院と改め、現在に至っている。

出所:『近畿三十六不動尊』から抜粋


[1]ここに書かれている本堂とは、現在の明王殿(不動堂)のことです。 平成4年(1992)、この本堂は明王殿と名を変えて金堂南側の現在の場所へ移築され、興教大師850年御遠忌記念事業として、跡地に講堂が再建されました。 現在の本堂は金堂です。

更新日:2018/11/02