近畿三十六不動尊 第二十三番 |
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真言宗醍醐派 総本山 本尊 薬師如来坐像 |
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真言宗醍醐派総本山であるこの寺は、実に広大な寺域を有し、上醍醐と下醍醐とに分かれているが、醍醐寺はその総称であり、山上の上醍醐から次第に下醍醐へと開けて行った山岳仏教の道場である。
今から千百余年前の貞観十六年(874)、弘法大師の御孫弟子の聖宝僧正(理源大師)が開かれたが、その後、幾多の紆余曲折を経て現在に至っている。 現存する堂塔伽藍は八十余棟に及び、その多くは、国宝、重要文化財になっている。
近畿三十六不動尊霊場に指定されているのは、上醍醐の五大堂である。 下醍醐に不動堂があるので、この不動堂を不動尊巡拝の霊場に……そうすればお参りに便利だから……という意見もあったが、醍醐寺開創の由来から考えても、また霊場設定の趣旨からしても、下から約三粁の坂道を額に汗して山頂まで登って、五大明王(不動、降三世、軍荼利、金剛夜叉、大威徳=五大力さん)の膝下にぬかづく、すべてが便利になり過ぎた感のある現代こそ、このような難行の末お参り出来る霊場がある方が、不動尊巡拝霊場にふさわしい、ということになったのである。
出所:『近畿三十六不動尊』から抜粋
更新日:2018/11/02