近畿三十六不動尊 第二十九番 |
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真言律宗 大本山 本尊 不動明王 |
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「生駒の聖天さん」として親しまれ、全国に多くの信者をもっているこの宝山寺は、寺伝によると、今から約千三百年前の奈良朝時代に、この地を訪れた役の行者が、霊域であることを強く感じ、修行をされ、岩屋の洞窟に般若経を納められたところから般若窟と呼ばれていた。 いまも、総門には般若窟の扁額がかけられている。 その後、弘法大師が、奈良東大寺の別当の時、ここを修練の場として苦行を積まれたようである。
この寺は、当初、都史陀山、大聖無動寺と呼ばれていた。 のちに「宝山寺」と書かれた弘法大師の御真蹟が見つかってから、宝山寺が寺号となって現在に至っているが「生駒の聖天さん」という呼び名が一般化し、有名になってしまっているので宝山寺と呼ぶ人は少ない。 そして人気の神様、商売の神様として、私達の現世の願いをすべて叶えて下さる霊験あらたかな神様であるというので、お参りの人が断[1]えない。 正確には、宝山寺の本堂の本尊は開祖湛海律師御自作の不動明王であり、その左隣の檜皮葺の建物が聖天堂であり、お祀りされているのが、これも湛海律師作の大聖歓喜天、すなわち聖天さんである。 従って、聖天様は、宝山寺の鎮守様に当る。
出所:『近畿三十六不動尊』から抜粋
[1] | 「絶えない」の誤記でしょうか?原文のまま表記します。 |
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更新日:2018/11/02