近畿三十六不動尊 第三十一番 |
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真言宗醍醐派 大本山 本尊 弥勒菩薩 |
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白衣に独特の掛衣(鈴掛)を着け、結袈裟をかけ大きな念珠と法螺を持ち、頭に頭襟をつけて、手甲脚絆に身をかため、引敷を下げて、錫杖又は金剛杖をついて歩く修験者(山伏)の姿を時々見かけるであろう。 かの勧進帳の弁慶等の姿でもおなじみであるが、日本における修験道発祥の地大峯山への登山修行の基地、洞川にある大峯山龍泉寺は、真言宗醍醐派の大本山であって、当山派修験の大峯山根本内道場であり、大峯山頂にある大峯山寺の護持院である。
龍泉寺は、昭和二十一年の洞川の大火に類焼したが、昭和三十五年に再建され、現在に至っている。 龍泉寺山の緑を背に、左より庫裡、便殿、納経所、神聖殿、本堂、護摩場、そして八大龍王堂と並び、前が林泉、その中の水行場には、不動尊が祀られ、護摩場の一風変った不動尊と好対象[1]である。 本堂には、弥勒菩薩、不動明王、役の行者、弘法大師、理源大師を祀り、大峯修行登山者は、水行で心身を清め、本堂にお参りした後、山の行場を目ざして登山するのである。 故に大峯山戸開期間中は終日、不動明王の宝前にささげる護摩の煙と水しぶき、信者の唱える、心経の声が絶えない。
出所:『近畿三十六不動尊』から抜粋
≪大峯山第一水行場≫
近鉄吉野線下市口駅からバスで洞川温泉終点下車、徒歩5分。 大峯山に登る行者は竜の口から湧き出る清水で水垢離をし、八大龍王に道中の安全を祈ります。 |
≪本堂≫
本堂には不動明王の他に、本尊弥勒菩薩、弘法大師、理源大師、役行者が祀られています。 |
[1] | 通常は「好対照」と書きますが、原文通り表記します。 |
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更新日:2018/11/02