吉祥院天滿宮詳細錄 第九章 | p257 - 261 |
|第九章 (4/7)| |
啼かはし河洲にむれつ鴨の聲 爲定 | |
枯たる芦[2]邊寒き霜風 | 實敎 |
ゆひざへぬ垣つのすき間顯はにて | 能儀 |
外面の末ぞとほしみえける | 護信 |
一筋の野中の道やすゝぐらむ | 深厚 |
拂ふ人なき月の下露 | 能全 |
かつ散ておのれみたるむら紅葉 | 舜敎 |
留らね秋や暮て行らん | 成永 |
云々 |
木每にもゆふかけてけり今朝の雪 聰長 | |
榊はうたふ聲をはる場 | 能儀 |
たきつたふ篝火消て影もなし | 隨正 |
すなとるふねに浦かせそ吹 | 實誠 |
打よする波のあら磯をかして | 紹悅 |
立もさわくも千鳥也けり | 隨巖 |
鼯のわたるしけみの夕月夜 | 常澄 |
三谷につゝくあたり冷し | 常寔 |
云々 |
うくひすやたかきに移る森の松 順長 | |
散にし梅は匂ひなき陰 | 宗淵 |
春寒み軒洩風の猶吹て | 實敎 |
栖をかこふ山こそはあれ | 隨正 |
賤の男が運びし萬柴積重ね | 隨嵓 |
河舟なれやさし下すらん | 常寔 |
月殘る堤の霧間明はなれ | 立誓 |
竹のは戰き露ぞこほるゝ | 隨傳 |
云々 |
[1] | 「水」の意味が不明ですが、とりあえず見たまま表記します。 |
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[2] | 原文は[芦]の異体字[![]() |
[3] | 「聰」の誤植だろうと思いますが、原文通り「總」と表記します。 |
[4] | 「誠」の誤植だろうと思いますが、原文通り「誡」と表記します。 |
[5] | 「佽」の誤植だろうと思いますが、原文通り「似」と表記します。 |
更新日:2021/02/11