吉祥院天満宮詳細録 第十章 p298 - 302
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一、十月 朔日十五日二十八日両天内神御灯御飯上之、

一、十三日両天末社神供如例、

一、二十五両天末社神供月次之通

一、例年三十日切国改納銀御触有之 (島本三分九分二食納之)

一、十一月 朔日十五日廿八日両天内神御灯御飯上之

一、八日稲荷社御火焼神供五膳  赤小豆飯小土器二枚干肴盛備之蜜柑子共遣之、

一、十一日神明宮御火焼朝餅搗  神明宮白餅一重備之、伊勢講仲間白米壱升餅四ツ取餅九ツ宛渡之渡之大講同断並ニ頭屋より相渡花以前は頭屋呼候講中給候也、 只今は壱人前餅九ソ代白米二升二合五勺小豆三合宛九日十日頃頭屋より渡之申候今日面々家来有之候

一、十三日両天末社神供如例備之、

一、十五日東町鎮守幣切 (安田源右衛門より頼来切遣之)

一、十六日伊勢大講今日改渡  夕飯料理酢和、平皿、焼物、生肴、汁、いりから、香物、御酒、肴三種小伊勢講今日改渡神酒斗肴三種大講只今重左衛門、清三郎、此方二人壱年替相勤講田有之是又廻り作仕候、 小講人数五人石原市郎右衛門、山口作兵衛、手前三人分是又講田有之廻り作仕候、 大講参宮料毎年米五斗宛預り慥人預り可然候、 小講参宮料毎年米二斗宛出之、是又慥成人置何時茂参宮仕候節請取之参宮之節右年々出米代所ニテ不足候得ば右年々之出米質物入銀他借仕筈相極候事、

一、十八日 天満宮御火焼神供蜜柑備之、
今早朝より村方御火焼初尾取廻之蜜柑二ツ宛遣之御社前ニ而七八時火焼参集候子供不残蜜柑壱ツ宛手渡遣之

一、十九日東条鎮守神明宮御火焼神供二膳、
小豆飯土器二宛何ニテ[1]干肴又ハ生肴備之蜜柑百神前備置神供一膳蜜柑拾ヲ安田源右衛門殿方へ御社より為持遣候一膳之御飯少宛蜜柑壱ツ宛参集之子供遣之、

一、今日弁財天御火焼小豆御飯蜜柑備之、

一、二十五日両天末社御神供月次之通備之、

一、伊勢御師豊田太夫定文被仕之例年十六七日頃被参候ゆ方祓給之例年箱祓のし一巴、暦一冊、計五本のり一巴ふのり二、いのかい十連、いせたい□一箱、定文より輪たたきか何れ一品持参当町講中祓此方ニテせわ納遣之、大講五人小講五人古講四人朝むすひ講四人右頭屋々々箱祓巻暦のし壱本、ふのり一枚、いのかい二連、計五本中間のし壱本千祓壱本請取之銘々遣之初尾。

一、十二月朔日十五日廿八日両天内神御灯御飯上之、

一、十三日両天末社御神供如毎備之、

一、十八日天満宮すす納、(私宅すす払天気次第見合大方十三日払申候)

一、二十五日両天末社御神供月次同断

一、二十六七日頃餅搗

一、御社注連掛錺  御社注連左縄ニテ勝手次第前広拵置可申事御社並私宅共廿九日注連錺可仕候、

一、三十日両天末社鏡餅備之 元旦十二灯燃候土器各一重宛両度、花十三灯宛ニテ候今晩灯台乗灯心入置申事候、

一、今晩宝来錺可申事 並三ヶ日雑煮芋頭拵煮可置事 組肴重箱拵可入置事 家内不残箸紙拵書付仕太箸可入置候、

一、今日両天御灯燃之  村方並他所より歳暮参詣有之候、

一、年徳神棚釣可申候  年越前方有之候次は其節釣申茂可然候、
三十日晩より来正月三ヶ日、六日、十四日、十五日、右年徳棚内神不残灯明可燃之候、

一、例年二十五日堂上方屋舗方並町方出入仁方頭芋拾、小芋壱升宛上之日野様、勧修寺様牛蒡二把宛上之

一、地預札中符巻本有之
上包杉原一重 千祓半五本五色紙付之
上包 様
  宅舎 安寧      菅原朝臣名前
中守上書 宅舎 安寧  大符

右当社年中行事一冊祖父定富自筆之記也、
予家督相続之砌令修補了
千貶文政二年巳[2]閏四月     定恒

[1]万葉仮名の「茂(モ)」のように思われますが、小さく書かれていないので原文通り表記します。
[2]「己」の誤記ですが、原文通り表記します。

更新日:2021/02/08