五大菩薩

 五大菩薩(ごだいぼさつ)とは、密教において重視される金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)に登場する数多い菩薩のうち、主要なものを5つ組み合わせたものです。

 密教では三輪身(さんりんじん)説といって、1つの「ほとけ」が自性輪身(じしょうりんじん)、正法輪身(しょうぼうりんじん)、教令輪身(きょうりょうりんじん)という3つの姿をとることが説かれています。

自性輪身:真理や悟りの境地そのもの(五仏に相当)
正法輪身:真理を説く者(五大菩薩に相当)
教令輪身:説法によって教化されない者を力づくで導こうとする者(五大明王に相当)

 東寺・講堂に安置されている仏像群は、如来グループ、明王グループ、菩薩グループに分かれ、密教の三輪身の思想を立体的な彫像で表した立体曼荼羅になっています。

五大菩薩 関連
名称 読み方 方角 金剛界五仏 五大明王
1金剛波羅蜜多菩薩 こんごうはらみった〔ぼさつ〕 中央 大日如来 不動明王
2金剛薩埵菩薩 こんごうさった 東方 阿閦如来 降三世明王
3金剛宝菩薩 こんごうほう 南方 宝生如来 軍荼利明王
4金剛法菩薩 こんごうほう 西方 阿弥陀如来 大威徳明王
5金剛業菩薩 こんごうごう 北方 不空成就如来 金剛夜叉明王

参考

更新日:2022/03/11