第十二番 |
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北法相宗 大本山 本尊 十一面千手千眼観音菩薩 |
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奈良時代、宝亀9年(778)大和子島寺の延鎮上人が夢の告げをうけ、山城の東山山中に音羽の清滝を発見。 長年滝行をしていた行叡居士から霊木を授けられ、「観音像を彫刻して祀り寺院を建てよ」と遺命され、居士の旧庵に止住して滝行を練り、千手観音像を彫像。 やがて、後に征夷大将軍になった坂上田村麻呂公夫婦の帰依と援助をうけて清水寺を創建。 延暦17年(798)東征に上人の懇祈と観音の霊験で戦勝できた報謝に本堂を整備し、脇士に地蔵菩薩と毘沙門天を安置したと伝える。
御本尊は、清水型観音といわれる、左右最上手を頭上高く挙げて小化仏[釈迦如来]を戴く特異な姿をされ、格別に霊験あらたかな観音として大衆の信仰を博してきた。 『源氏物語』『枕草子』から『今昔物語』や『一寸法師』などの御伽草子、能・狂言、歌舞伎・浄瑠璃などの諸芸能に語り、演じられているとおりである。 御本尊は秘仏として本堂最奥の内々陣のお厨子[国宝]内に祀られており、普段は外陣の礼堂から御前立ち仏像を拝むことになる。
出所:『洛陽三十三所観音巡礼』
更新日:2022/04/08