第二十八番 |
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律宗 本尊 十一面観世音菩薩 |
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壬生寺は、正暦2年(991)快賢僧都によって創建された。 本尊は延命地蔵菩薩である。 古来より地蔵信仰とともに、厄除け開運の寺として庶民の信仰を集めてきた。700年の伝統をもつ壬生狂言が、毎年盛大に行われている。 また新撰組ゆかりの寺としても知られている。
壬生寺の塔頭である中院は、寛永年間(1624〜1643)、本良律師により創建された。 現在の本堂は、文政12年(1829)の再建である。
中院のご本尊は、十一面観世音菩薩[鎌倉時代作]である。 仏像造顕の由縁は、鎌倉時代の壬生寺再興の時に、平政平の発願により新造された諸仏の内の一体である。 古伽藍図には観音堂とあるが、古名を中之坊といい、明治時代に律宗道場となってから中院と呼ばれるようになった。
かつて壬生寺には十一の塔頭があったが、江戸時代に起こった天明の大火や明治初年の廃仏毀釈などにより衰退し、現在残っているのはこの中院のみである。 昨今では壬生寺の地蔵信仰を支える塔頭としての役割のみならず、観音信仰をひろめる場となっている。
出所:『洛陽三十三所観音巡礼』
更新日:2015/11/29