京都三庚申 尊勝院HP内 http://www.kyoto-info.com/sonshouin/yuisho/...
猿田彦神社
尊勝院
金剛寺

 庚申(こうしん)信仰は、平安時代初期に中国から伝来した、庚申(かのえさる)の夜に謹慎して眠らずに過ごす「守庚申(しゅこうしん)」と呼ばれる行事が起源とされています。

 そもそもは道教の教えに基づく庚申信仰ですが、仏教と結びついて青面金剛を本尊として祀るようになり、ついで神仏習合の流れのなかで猿を共通項として猿田彦や日吉山王信仰と結びつき、さらに「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿が取り入れられました。

  1. 青面金剛
  2. 猿田彦神: 「猿」の字が「庚申」の「申」に通じるため。また、猿田彦が塞の神と同一視され、これを「幸神(さいのかみ)」と書いて「こうしん」とも読めるため。
  3. 日吉(ひえ)山王: 山王の神使が猿であるため。
  4. 三猿

 江戸時代には、村落全体で酒盛りをして一夜を明かすという寄り合い組織「庚申講(こうしんこう)」が全国で作られるなど、庶民の間で広く信仰されるようになり、「京羽二重大全(1784)」でも「庚申7ヶ所」が紹介されています。

庚申七ヶ所
[京羽二重大全]
分類 現在
1 幸神(上御霊) b 猿田彦神社
2 幸神社(塔之段) b 幸神社
3 金剛寺(八坂) a 金剛寺
4 金蔵寺(白川橋) d → a 廃寺 /御猿堂は廃絶、庚申のみ尊勝院
5 山王宮(室町仏光寺) c 日吉神社
6 六角堂(六角烏丸) a ? 六角堂 /庚申堂は廃絶
7 神明宮(姉小路新町) c ? 高松神明神社 /庚申に関係する末社は不明

 現在の三庚申(金剛寺、尊勝院、猿田彦神社)のうち、山ノ内庚申の猿田彦神社だけが京羽二重大全に掲載されていません。 これは京羽二重大全が主に洛中の社寺を対象にしており、洛外の山ノ内は対象外だったのだろうと思っています。

更新日:2022/03/21